中編 松川一静
投稿日:
339
0
4
0
「もう、そんなに謝らないでよ」
何度も謝る俺の姿に困り果てた彼女は、手に持っていた鉛筆の後ろを唇の下に置き、何か打開策はないかと呟きながら考え込んだ。
「そうだ、私の専属の雛形になってよ」
これが、彼女との関係が今もなお続く、そして一番俺が俺らしくいられる居場所ができるきっかけとなるとは。その時は思いもしなかった。
「ねえ、今何考えてるの?」
「なんで?」
「口の端が少し上がった」
「んー。お前と出会った時の事思い出してた」
「何それ。思い出に浸るような年でもないでしょ?」
「年じゃなくても浸るときは浸るの」
BLUE
ゆっくりと夢小説(主に黒ラノ、テニラノ、ハイラノ)を書かせていただいております。 皆さんのお気に入りの作品がみつかりますように。 い...