中編 松川一静
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あの頃よりも会える時間は短くなったよなとしみじみと言うと、一静くんって時々おじさんみたいなこと言うよね、と彼女は鉛筆を持つ手を口元にやって笑う。
こんな時でも俺から手を離さないのは、こちらの恋心には気づいていてのことだろうか。
まったく。こっちの身にもなってほしいものだ。
「…顔熱いよ」
「夏だからね」
「それだけ?」
「…それだけじゃない、かもしれない」
「はっきりしないね」
お前が手を離さないからとか言ってもどうせ、いつものことじゃないと笑いながら一蹴されるんだろうな。
BLUE
ゆっくりと夢小説(主に黒ラノ、テニラノ、ハイラノ)を書かせていただいております。 皆さんのお気に入りの作品がみつかりますように。 い...