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種島都樹は確か、凪ちゃんの中学の頃の先輩だったはず。
茶野「《吊るされた男》って……。確か、試練の連続とかそんな意味じゃなかったっけ?」
なんだか随分と可哀相な通り名をつけられているみたいだけど、凪ちゃんは黙って首肯した。
凪沙「恐ろしいくらいにあの人らしいのだ。洛山から誠凛に転学して、バスケ部を創部した矢先に木吉先輩が渡米したのだから」
言われてみれば、確かに試練の連続すぎる。
だとすれば、私は……私は本当に……《運命の輪》という私の力で……
茶野「……幸福を、到来させることができるはず」
声になるかならないかで漏らした言葉は、誰も聞いていなかった。
《運命の輪》は、変化であり解決という意味もある。
それは二人の言う通り、すべての始まりにしてすべての元凶である私に相応しすぎるような気がした。
゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*. 代表作(合計604作) *黒子のバスケ 《モノクロ*カラフル -second season-》 ...