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からからに渇いた喉に無理矢理唾を流し込み、僕は女バスの人たちが開けた道を進む。この先に、誰よりも隣で笑ってくれた女性がいる。
彼女が住むモノクロの世界なんて、僕にはまったく想像ができなくて――きっと、何度も傷つけた。何度も何度も守れなくて傷つけた。
奈々さんが閉めた扉を開ける。
個室の病室の奥のベッド。横たわる人影。それだけで僕は息を止める。
黒子「奏歌さん……!」
もう二度と、誰かを傷つけたりはしない。
中学の頃、そう決意した僕が傷つけた人を思い浮かべて膝が震える。前に前に。奏歌さんがそうしたように歩を進めて、僕はようやく彼女と再会した。
黒子「ッ」
喉の奥が焼けるように熱い。それでも僕は振り絞った。
黒子「……聴こえますか? ……聴こえ、ます……か?」
゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*. 代表作(合計604作) *黒子のバスケ 《モノクロ*カラフル -second season-》 ...