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黒崎「大丈夫。ちゃんと見えるよ」
私は笑いながら眼鏡のブリッジを上げる。
見えなくなったのはストレスと疲労が原因らしく、休んでいたら見えるようになったのだ。それでも完全回復とは行かず、モノクロな世界も変わっていない。
黒崎「ウィンターカップには……ちょっと間に合いそうにないけれど」
練習不足と視力を考慮して、スタメンから外されることは目に見えていた。
黒崎「――それでも、私は幸せだよ」
同中だったが、高校の頃に友達となった奈々はホッと息を吐いた。
南田「でもね、奏歌ちゃん。私はちょっと怒ってるよ」
黒崎「え?」
南田「私は、奏歌ちゃんがいたからバスケの世界に戻ってこれたの。苦しんでいた私にバスケの楽しさを教えてくれたのは、大我じゃない。奏歌ちゃんだったんだよ?」
確かめるように言葉一つ一つを奈々は紡ぐ。そして、ほろりと泣いた。
゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*. 代表作(合計604作) *黒子のバスケ 《モノクロ*カラフル -second season-》 ...