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名瀬『ほんと仲良しだよね、あの2人。咲穂ちゃんもすっかり馴染んでるし』
仁科『ん。ていうか都樹は? 木吉から『任せた』って言われてるのに、また1人でどっか行って……』
名瀬『探しに行こうか。都樹がバカやって笑ってないと、ちょっとつまらないもんね』
仁科『……今でも信じられない。いくら同級生でも1個上なのに、木吉がいないだけであんなに脆くなるなんて』
名瀬『それが都樹の〝愛〟なんだよ。……多分』
顔を上げると、体育館の入口で先輩2人がそんな話をしているのが聞こえた。私は涙を拭って、奈々と咲穂ちゃんの背中を叩く。
心配と迷惑をかけた分、しっかりしないと。
黒崎「ほらほら、行こう。他の1年生も集まっちゃうよ?」
南田「うんっ」
雨木「承知いたしました」
秋風が吹いて、どこからか金木犀の香りが漂ってきた。
゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*. 代表作(合計604作) *黒子のバスケ 《モノクロ*カラフル -second season-》 ...