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黒子「奏歌さん」
そんな帰り道の中、テツヤが改まって私の名前を呼ぶ。顔を上げるとテツヤも私を見つめていた。
黒子「僕に視えているものと、君に視えているものは必ずしも一緒ではありません」
私は頷いた。
河川敷で、見ているものが違って、少し苦しかった。テツヤも同じことを思っていたのか、わずかに顔がくしゃくしゃになっている。
黒子「けれど、進む道はこれからも一緒でありたい。そう強く思います」
けれど、それを言った時のテツヤは笑っていた。輝いていた。モノクロでも、そんな輝き一つがカラフルに見えてしまう。
私はそんなテツヤが好きなんだ。
黒崎「……うん。嬉しい」
一息ついて思う。
黒崎「――私もそんな景色が見たい」
見えるかな? ……見れるといいな。
゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*. 代表作(合計604作) *黒子のバスケ 《モノクロ*カラフル -second season-》 ...