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黒子「奏歌さん」

 そんな帰り道の中、テツヤが改まって私の名前を呼ぶ。顔を上げるとテツヤも私を見つめていた。

黒子「僕に視えているものと、君に視えているものは必ずしも一緒ではありません」

 私は頷いた。

 河川敷で、見ているものが違って、少し苦しかった。テツヤも同じことを思っていたのか、わずかに顔がくしゃくしゃになっている。


黒子「けれど、進む道はこれからも一緒でありたい。そう強く思います」


 けれど、それを言った時のテツヤは笑っていた。輝いていた。モノクロでも、そんな輝き一つがカラフルに見えてしまう。

 私はそんなテツヤが好きなんだ。

黒崎「……うん。嬉しい」

 一息ついて思う。





黒崎「――私もそんな景色が見たい」





 見えるかな? ……見れるといいな。

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