21
大輝に無理矢理連れてかれた場所は、ゲーセンだった。呆けているあたしを他所に、大輝はふらふらと目的もなく歩いている。
水樹「ちょ、大輝?! いったいなんなの……」
……さ。
そう言おうとして、言葉を失う。あたしは固まったまま、聞き慣れたイントロに耳を傾けた。
《顔を合わせれば喧嘩してばかり
決してそれが嫌だと思わないけど
もっと微笑んで会話もしてみたい
そんなあたしはワガママかな
幼馴染みのあの子には色々敵わない
共に過ごした時間違いすぎるよ
暗闇の中で貴方だけがあたしの
"ヒカリ"だったんだよ
支えてくれた温もり今でも忘れた日はない
きっとあたしあの頃から…》
――恋唄不協和音。
あたしは口内でそう呟く。
あたしの大事な代表曲。
あたしが初めて大輝を想って書いた曲。
水樹「……大輝」
この曲が今流れたのは偶然だ。なのに、必然を信じてしまう。
゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*. 代表作(合計604作) *黒子のバスケ 《モノクロ*カラフル -second season-》 ...