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唯に非道だと罵られてもいい。
私は、このライブに関わってくれた人たちの顔を、人柄を知ってしまっている。だから、彼らを裏切るようなことはしない。――したく、ない。
私が唇を噛み締めた刹那
橙乃「なら私が担いで出てく! どこならいいの?!」
唯は、そう叫んだ。
私は息を呑み、すぐさま脳裏に浮かんだ場所を叫ぶ。
藍沢「唯、私は……」
橙乃「わかってる! 凜音はここで、凜音にしかできないことをやって!」
腰を浮かせた私を押し返し、唯は自らの胸を叩く。
橙乃「このステージには、私たちには、凜音が必要なんだから!」
藍沢「――!」
私は頷き、奏歌を抱えて去っていく唯を眺める。そして立ち上がり、現場のスタッフの指揮を執った。
゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*. 代表作(合計604作) *黒子のバスケ 《モノクロ*カラフル -second season-》 ...