４０

• 黒ラノ
• 朝日菜文庫

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　俺の恋人の凛ちんは、馬鹿みたいに真面目な子だった。

　頭が固くて、融通が効かなくて、面倒で、ムカつくし、怒りっぽくて、泣き虫。なのに、どうしようもないくらい好き。

赤司『――《幻の世代》は、頑固で意地っ張りだ。我慢強いが、変な所で脆く、思い込みが激しい』

　昔、赤ちんが言っていた言葉がある。
　聞いた後で本当にそうだなと思ったし、納得はしたけど、理解はできなかった。


藍沢『――助けてください……』


　なんであんたは、あんたらは、面と向かって俺たちにそう言えないんだろう。

　それは昔、凛ちんが親友の水ちんにあてた留守電の――最後の最後に記録されていた、切実な想いだった。

　赤ちんの言う通りだって思うけど、わかるけど、わからない。

　そんなに自分たち以外は頼れない？
　そんなに強くて脆いのに、まだ頑張るの？

　やっぱり、理解できなかった。