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南田――なっちんが電話で聞かされた《幻の世代》の惨状に、俺たちは言葉も出なかった。思うところがありすぎて、言葉にならなかった。
凛ちんはそういう子だ。
誰にも頼らない――仲間以外には助けを求めない、変な子だ。
その仲間全体が崩壊したら、全員の命はないのに。
女バスが助かっても、《幻の世代》が助からなかったらウィンターカップで優勝はできないのに。
紫原(……凛ちんは、それでもいいのかよ)
多分、悔しい。
試合には勝ったのに、こんなにも悔しい。
俺たちも、凛ちんたちも、バスケは守れても人を守れなかったら意味がない。
俺たちは凛ちんたちを守れなかった。
凛ちんたちは自分たちを守れなかった。
それは、悲劇だ。喜劇になんて絶対にならない。
血を流した物語の結末は、ハッピーエンドじゃないと。そうじゃないと、俺が許さない。
゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*. 代表作(合計604作) *黒子のバスケ 《モノクロ*カラフル -second season-》 ...