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紫原「なんで言ってくれなかったんだし」
藍沢「大事な時期の貴方たちに、何をどう言えば良かったんですか? 私は、私たちは――そんなことさえできないんです」
紫原「そのまんま言えば良かったじゃん。つーか、心臓止まるかと思った。そっちの方がタチ悪いし」
藍沢「……そうなんですか?」
私は驚いたように顔を上げた。
敦はまだ私を抱きしめている。
紫原「……凛ちんって、やっぱり馬鹿だよね〜」
藍沢「……返す言葉もありません」
私は苦笑し、巨漢の敦に抱き締められて安心したのか、溢れ出した涙に戸惑った。
藍沢「ッ……!」
口元を覆う。
私の変化に気づいたのか、敦が背中を撫でる。
紫原「――大丈夫。俺、ここにいるから」
そう言って、多分、笑った気がした。
゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*. 代表作(合計604作) *黒子のバスケ 《モノクロ*カラフル -second season-》 ...