黒ラノ
・
午前中に部活が終わり、俺たちは動物園に直行する事になった。一旦家に帰る事が出来ればドタキャンしていたが、あいつらはそれを予期していたかのようだった。
「うわぁ、可愛いー!」
あいつはサルを指差して笑った。
山崎も原も、当然俺もサルのどこが可愛いのか解らない。女子が何でも「可愛い」と言うのは本当らしかった。
「あれ、ザキに似てね?」
ガムを膨らませながら原が指差した先には、一匹のサルがいた。山崎が口よりも手を出す前にあいつが身を乗り出して「本当だ! 原くんすごい!」と拍手する。
よく見れば本当に山崎とそっくりな顔をしていた。
「お前の親、サルだったのか」
「サルじゃねぇよ!」
山崎のキレっぷりを無視して、俺はあいつと原に目を向ける。二人は他の部員に似たサルを探す事に夢中になっていた。
゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*. 代表作(合計604作) *黒子のバスケ 《モノクロ*カラフル -second season-》 ...