黒ラノ
「さてと。じゃあ今日のデートはどこに行こっか」
にこにこと俺の目の前で微笑むあいつを一瞥して、俺は本を閉じた。あいつが来る前に頼んでおいたコーヒーは若干冷めてはいるもののまだ飲める。
「真はどこがいい?」
コーヒーを味わっていると、あいつは頬杖をつきながら尋ねた。
「ここでいいだろ」
外を見るとコートをしっかりと着込んだ奴らが視界に入った。真冬の中でわざわざデートに行く神経が俺には解らない。
「ここって真が好きなコーヒー専門のカフェでしょ。私がコーヒー苦手だって知ってるくせに」
確かにデートの待ち合わせにここを指定したのは俺だ。が、別にこの店が好きなわけじゃない。
単純に俺の家とあいつの家の中間にあるそれなりにいい店だったからだ。
「じゃあ好きにしろよ」
俺がそうなげやりに言うと、あいつは「バカ」と言いつつスマホでいい場所を調べはじめた。
゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*. 代表作(合計604作) *黒子のバスケ 《モノクロ*カラフル -second season-》 ...