黒ラノ
*
妙な視線を感じて、振り向くとそこには体を半分ほど隠した黄瀬くんがいた。
よし、見なかった事にしよう。
目が合ったけど気のせいだ。
「ちょ、気づいたなら無視しないでほしいんスけど!」
「……じゃ、ちゃんと話しかければ良かったじゃん」
「だっ……! だってなんか気まずかったんスもん!」
「言ったら余計に気まずくなんない?」
黄瀬くん、撃沈。
「で、何の用?」
黄瀬くんは前髪をいじりながら、「その……」と俯いた。
「……君、本当に男嫌いなんスよね?」
「…………」
言われて、改めて考える。
嫌い、というよりもあたし自身が男として生まれたくて……。
そう、これはただの嫉妬で羨望。
男嫌いなんて言い訳だった。
゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*. 代表作(合計604作) *黒子のバスケ 《モノクロ*カラフル -second season-》 ...