１５

• 黒ラノ
• 朝日菜文庫

蛍原「……迷惑じゃないんだな」

真紀奈『そんなのは誰も思っていない。ただ、私と叶姉さんからすれば回りくどくて面倒なだけ……』

蛍原「…………」

真紀奈『あの３人は雑草みたいなものだから、放っておいても大丈夫。でも、絵里は花だから。枯れないように気をつけてね……？』

　そして真紀奈は勝手に電話を切った。

　私は呆然と電話を耳元から離す。


蛍原「もう枯れてる人間に、何を言ってるんだか」


　電話を胸元に引き寄せて、私はゆっくりと目を閉じた。

　咲穗と律と椛が雑草で
　私が花ならば
　真紀奈と叶は何になるんだろう。

　いつも輪の中にいながら、輪を遠くから眺めていたあの姉妹は何になるんだろう。