18
凪沙「蛍原」
蛍原「ッ! ……凪沙先輩」
振り返ると、私よりも背が低い凪沙先輩が私を見据えていた。
凪沙「リタイアの理由は本当に何もないのだ?」
まっすぐに私を見つめるそれは、1歳年上とは思えないくらい大人びていて。自分の未熟さみたいなものをつきつけられたような不快な気分になる。
蛍原「……はい」
足のことなんて言えない。
そんなのは私のプライドが許さない。
私が折れる前に全員が強くなればいい、叶はそう言ったけれどそんなのは時間的に不可能だった。高校で強豪に叩き潰されてすぐに全員折れるに決まっている。
私たちの強さは高校では通用しない。
凪沙「そんなのが通用すると思っているのだ?」
やめて。
凪沙「それは甘えなのだ」
やめて。
蛍原「……うるさい。私よりも弱いくせに」
耐えきれなくて、私は体育館から逃げ出した。
゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*. 代表作(合計604作) *黒子のバスケ 《モノクロ*カラフル -second season-》 ...