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橙乃「っはぁ、っはぁ、っはぁ……!」
征を想って走っていると、一年前を思い出す。
征が告白の返事が欲しいと言って私を呼び出したあの時も、私は全力で走っていた。
橙乃「んもぅっ! 男のクセに、いっつもいっつも私に走らせるんじゃないわよ!」
ただ、それさえもあの征らしい。
高校に入学する前の春休み――これまた征に呼び出されて辿った道とまったく同じ道を走りながら、私は新幹線の駅に辿り着いた。
探さなくても、もう、直ぐそこに――
橙乃「征っ!!」
――あんたがいてくれること、知ってるよ。
赤司「『息が整うまで待とうか?』」
橙乃「あの日と同じこと、言わなくてもいいわよ……!」
けど、言葉に甘えてしまう。
゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*. 代表作(合計604作) *黒子のバスケ 《モノクロ*カラフル -second season-》 ...