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愛「あの時、チームメイトの大半が凜音のことを疑ってた。だから、スタメンだけが凜音のことを信じてたら、チームメイトとの間に大きな溝ができてしまう」
それは、主将になったが故の苦悩だった。
愛「それは絶対に駄目。いつか活動を再開した時、その溝が埋まらなかったらどうなる? 私たちは内部崩壊している場合じゃない。一致団結して、大会で優勝するのが〝夢〟なのに」
愛先輩が語る度に、夢先輩の表情が固くなる。
夢「……なんだよそれ、そういうの、ちゃんと言えよ。愛は昔からそうだ。大事なこと、自分の思ってること、何もかも口にしないで嘘ばっかだ。それは絶対、〝愛〟なんかじゃない」
夢先輩は顔を歪め、最後に私たちを見回した。
そうだ。黙ってる場合じゃない。元凶は私なのだから――
藍沢「愛先輩、信じてくれてありがとうございます」
――泣きながら、私は額を床に擦り付けた。
゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*. 代表作(合計604作) *黒子のバスケ 《モノクロ*カラフル -second season-》 ...